ところでDVって何?
DV(ドメスティック・バイオレンス)は、夫婦や恋人など親密な関係の間に起こされる暴力のことです。お互いに相手を大切に思い、対等で、安心できる関係であるはずなのに、一方の人が自分の都合の良いように、力で関係を支配しているなかで、この問題は起こっています。
殴る蹴るだけがDVではありません。
暴力というと身体を傷つけるものをイメージされる方が多いと思いますが、殴る、蹴るだけが暴力ではありません。相手が嫌がる言葉や恐怖心を抱く言 葉、話しかけても無視したりすることも心を傷つける暴力です。お金を一方的に管理し、働くことも許さず、十分な生活費も与えないなど、経済的な力の不均衡 で支配を強化する暴力もあります。行動や友だちとのつき合いまで制限して、様々なつながりから孤立させてしまうことも暴力です。レイプはもちろんですが、 一方的にセックスを強要することも性暴力になります。
暴力はさまざまな表れ方をするので、周囲の人は「それ」を「暴力」とは思わないかもしれません。でも「それ」を、怖いと思ったり、苦しいと感じた り、相手との関係のなかで、自由な行動や言葉を選べなかったりするのだとしたら、人権にかかわる問題です。その人の人生や生命が危機的状況にあるというこ とになるのではないでしょうか?
怖いと感じないDVもあります。
暴力の被害を受けている当事者自身も、「それ」を「暴力」だと自覚していないこともあります。暴力の被害を受けていても、必ずしも怖いと感じるとは 限らず、緊張感(また怒ったらどうしよう? こんなこと言っても大丈夫?)、無力感(どうせ私が悪いんだから、がまんすればいいんだ)、劣等感(私がバカ だから、ちゃんとできないから)
など、他の感じ方で支配と暴力を感じることもあります。暴力は犯罪です。暴力をふるわれる人に責任はありません。どんな理由があっても、暴力をふるっていいなんてことはないのです。